国連人道問題調整事務所(OCHA)は2025年3月6日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の人道状況に関する報告書「Humanitarian Situation Update #270」を公表した。報告書は、2月下旬から3月初めにかけての住宅・建造物の取り壊し、北部の軍事作戦、入植者による襲撃、住民の避難などを取り上げている。
住宅15棟などの取り壊しを記録
OCHAによると、イスラエル当局はヨルダン川西岸のC地区と東エルサレムで、イスラエル側の建築許可がないことを理由に住宅15棟とその他の建造物44棟を取り壊した。これにより80人を超えるパレスチナ人が住まいを失ったと報告された。取り壊しは住居だけでなく、地域の暮らしに必要な施設にも及んだ。
ジェニンでの軍事作戦と避難
報告書は、1月から続いていたイスラエル軍の作戦が3月4日にジェニン市内へ拡大し、少なくとも30世帯が新たに避難したと伝えた。また、トゥルカレムとヌール・シャムスの難民キャンプでは、過去2週間に少なくとも41棟の住宅が取り壊しの対象として指定されたという。対象となった建物すべてが、この時点ですでに取り壊されたという意味ではない。
入植者による襲撃と農地への被害
OCHAは2月25日から3月3日までの期間に、負傷者や物的被害などを伴う入植者関連の事件24件を記録した。報告によれば、パレスチナ人11人が負傷し、オリーブの木約10本と車両9台が損壊した。2月28日にはヘブロン県ハルフール近郊の農地で、入植者とともに現場へ入ったイスラエル軍兵士によってパレスチナ人2人が暴行を受け負傷したとされる。3月2日にはラマッラー県シュクバ村で、農地にいた男性3人が入植者に襲われたとOCHAは報告している。
人道支援とその後の報告
同報告書によると、人道支援団体はジェニンとトゥルカレムの難民キャンプから避難した5,500世帯以上に多目的現金支援を提供したほか、寝具や衛生用品の配布も行った。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は3月15日付の状況報告で、北部の作戦が続き、3月9日時点で3万5,000人を超える人々が避難状態にあると伝えた。数字は各機関が対象期間と方法を定めて集計したもので、同一時点の人数として比較できるとは限らない。
この記録は2025年3月6日公表のOCHA報告を中心に、後日公表されたUNRWA資料で経過を補ったものである。記載した被害や避難の数字は、それぞれの資料が公表された時点の報告値である。
※出典・原文記事
国連人道問題調整事務所(OCHA)|Humanitarian Situation Update #270 | West Bank
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UNRWA|UNRWA Situation Report #163 on the Humanitarian Crisis in the Gaza Strip and the West Bank, including East Jerusalem
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