2025年11月10日、毎日新聞に掲載されました。
この記事は、実際に毎日新聞の記者がナーブルスソープ代表トゥベレ氏にインタビューを行い記事にしたものです。
現在、危険地域のため現地の報道記者達が撤退している中、で非常に貴重なインタビューと言えます。
記事の要約
パレスチナの伝統産業である「ナーブルス石鹸」が、存続の危機に直面しています。
6000年以上守られてきたオリーブ文化と、400年以上続く伝統製法を継承する石鹸産業が、現在の占領下で急速に衰退しつつあります。
ヨルダン川西岸地区ナブルスで、代々石鹸づくりを続けてきたトゥベレ家は、かつて42軒あった工場のうち、現在残るわずか3軒のひとつです。(うち輸出しているのは1軒のみ)
トゥベレ家は、食用グレードのバージンオリーブオイルのみを使用し、手作業で石鹸を仕上げる伝統工程を守り続けています。その品質は世界72カ国で高く評価され、2024年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。
しかし近年、移動制限・検問所の増加・オリーブ畑へのアクセス妨害・水や電力の供給制限などにより、石鹸づくりはかつてない困難に直面しています。
現在、西岸地区には849カ所の検問所が設置され、原料収穫から石鹸の輸送まで数時間の遅延が常態化し、製造コストの上昇が避けられない状況です。
さらに、暴力被害や土地の喪失が続く中、生産者の暮らしと精神面にも深刻な影響が出ています。
本来、オリーブの収穫を祝う季節(10〜11月)も、今年はガザ情勢の影響で喜びを分かち合えない状況が続いています。
そのような厳しい現実にあっても、トゥベレ家は「石鹸づくりを続けることが、文化を守り、占領への抵抗の証しになる」と語り、製造を続けています。
■ ナーブルスソープをご支援いただくことの意義
ナーブルス石鹸の購入は、単なる商品の取引ではありません。
・廃業寸前の伝統工房を継続させる直接的な支援
・パレスチナのオリーブ農家の生計維持
・無形文化遺産の保全
・地域経済と雇用の継続
・破壊されつつあるオリーブ文化の存続への寄与
こうした「文化・産業を守る行動」に直結します。
■ 日本の皆さまへ
私たち日本総代理店(YOUR ORGANICS)は、石鹸そのものの品質はもちろん、その背後にある生産者の生活と文化を守る活動を重要な使命と考えています。
今後も、現地との連携を深めながら、売上の拡大と認知向上を通して、パレスチナの再建と産業支援につながる取り組みを続けてまいります。
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