オリーブオイル生産が絶たれた村の再起|失われた木々と再び根を張る人々
オリーブの木は、パレスチナの人々にとって単なる農作物ではありません。
それは「生活」「文化」「土地とのつながり」そのものです。
しかし近年、そのオリーブの木が大規模に破壊され、収穫も生産も断たれる村が各地で起きています。
それでも人々は諦めず、再び木を植え、再起を目指しています。
オリーブの木が失われた現実
ヨルダン川西岸では、長年にわたりオリーブの木の破壊が繰り返されています。
例えばラマッラー近郊のアル・ムガイヤル村では、約3,000本のオリーブの木が軍によって伐採されました。
さらに国連のデータによると、2023年以降だけでも約52,000本のオリーブの木が破壊されています。
収穫期には暴力が急増し、2025年には1日平均8件の攻撃が報告されるなど、農業そのものが脅かされる状況が続いています。
また、特定の村では数百〜数千本単位で焼かれたり、切り倒されたりするケースもあり、
オリーブオイルの生産が事実上できなくなる地域も出ています。
村から消えた「収入」と「日常」
オリーブオイルは、パレスチナにおいて主要な収入源のひとつです。
10万以上の家庭がオリーブに依存しているとも言われており、
木が失われることは、そのまま生活の崩壊を意味します。
ある村では、収穫量が80%減少したという報告もあり、
これまで家族で行っていた収穫の風景は「恐怖の季節」へと変わりました。
農民たちは、自分の畑に入ることすらできない状況に置かれることもあります。
それでも植え続ける理由
それでも、多くの村ではオリーブの木を植え直す活動が続いています。
2025年、トゥルカルムでは市民や子どもたちが協力し、250本のオリーブの木を植えるプロジェクトが行われました。オリーブの木は数百年生きると言われています。
つまり、植えるという行為は「未来への意思表示」でもあるのです。
再起の形|農業を続けること自体が抵抗
パレスチナでは、土地を耕し続けること自体が重要な意味を持ちます。
耕作が止まると土地が没収される可能性があるため、農民たちは危険の中でも畑に通い続けます。
破壊された後も、再び苗木を植え、水を運び、収穫を目指す。
それは単なる農業ではなく、「存在を守る行為」です。
オリーブの木は再び根を張る
焼かれ、切り倒されても、オリーブの木は再び芽を出すことがあります。
その姿は、まさにパレスチナの人々そのものです。
オリーブオイルの生産が絶たれた村でも、
人々は再び木を植え、次の世代のために土地を守り続けています。
失われたのは「木」だけではありません。
しかし同時に、失われなかったものもあります。
それは、土地に生きる意志と、再び立ち上がる力です。
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