2025年7月31日、パレスチナ農業開発センター(UAWC)が運営する シードバンク(種子保存・増殖施設) が、ヨルダン川西岸ヘブロン近郊でイスラエル軍によって破壊されました。
報道によれば、倉庫、種子の保管施設、水タンク、灌漑設備、制御室などがブルドーザーで壊され、保存されていた種子や設備が失われました。
この施設は、70種類以上の在来種を保存し、農家に供給する役割を担っていたとされています。
国際的な農民団体や環境団体は、この施設を「パレスチナにおける唯一の国家的シードバンク」と位置づけ、破壊を強く非難しています。
ただし「唯一」「最後のシードバンク」という表現については NGO の声明に基づくものであり、他の小規模な保存活動の存在を完全に否定するものではありません。
UAWC は一部の種子をノルウェー・スヴァールバル全球種子庫に預託しており、全ての遺伝資源が失われたわけではありませんが、地域における在来種の保存と農業自立への打撃は大きいと見られています。