現地の声 | オリーブ農家の願い – 土地とともに生きるということ
日付:2025年1月28日
地区:ナブルス近郊・ブルカ村(西岸地区)
名前・職業:アブドゥル・ラヒームさん(52歳・オリーブ農家)
ナブルス北部の丘陵地帯に広がるブルカ村で、アブドゥル・ラヒームさんは代々続くオリーブ農家として暮らしている。彼の家族は祖父の代から同じ土地を耕し、何百本ものオリーブの木を守ってきた。
「この木は、私が生まれる前からここにあります。」そう言って彼は一本の大きなオリーブの木に手を置いた。「父はこの木を“家族の一員”だと言っていました。」
しかし近年、畑へ向かう道が突然閉鎖されたり、収穫期に自由に行き来できないことが増えたという。海外メディアの取材に対し、彼は静かに語った。「収穫できなければ、1年の収入がなくなります。オリーブは私たちの生活そのものです。」
オリーブの収穫期は家族総出の大切な時間でもある。子どもや親戚が集まり、木の下で食事をしながら実を摘むのが毎年の習慣だったという。「以前は笑い声が絶えなかった。でも最近は、周囲の様子を気にしながら作業することが多い。」
それでも彼は農業をやめようとは思わないと言う。「土地を離れたら、私たちは自分たちでなくなる気がする。ここで生まれ、ここで育ち、ここで子どもを育てたい。それだけです。」
ラヒームさんは、特別な望みを語るわけではない。「安全に畑へ行けること、普通に収穫できること。それが叶えば十分です。」
最後に彼はこう付け加えた。「オリーブの木は何百年も生きる。人間より長くこの土地を見る存在です。だから私は信じています。いつかまた、静かに農業だけを考えられる日が来ると。」







